イタリアでは、クリスマスが終わって年が明けたあと、冬のお祭り、カーニバルの時期がやってきます。
特に、ヴェネツィアのカーニバルは有名ですよね。
イタリアでは、ナターレ(クリスマス)やパスクア(イースター)と同じように、カーニバルの時期にだけ食べられるお菓子があるのをご存知でしょうか?
クリスマスのパネトーネやパンドーロは日本でも認知度が上がってきましたが、まだまだカーニバルのお菓子はあまり知られていませんよね。
そこで、今回はイタリアのカーニバルの伝統のお菓子をご紹介します。
イタリアのカーニバルのお菓子の特徴
カーニバルの伝統的なお菓子は、地域によっていろんな種類がありますが、ほとんどが 揚げ菓子。
しかも、かつてはラードで揚げていたそうです。
さすがに現在では植物油が使われていますが、どれも高カロリー。
最近では健康志向を反映して、油で揚げたものだけでなくオーブンで焼いたものも多くなりました。
カーニバルが近づくとスーパーには、カーニバルのお菓子がたくさん並びます。
もちろん、pasticceria(お菓子やさん)の作りたてのものの方が美味しいですが、スーパーのお菓子もなかなかあなどれません。
カーニバルの代表的なお菓子、どんなのがある?
イタリアでは地方ごとに郷土料理があるように、カーニバルのお菓子も地方によってさまざまです。
そこで、全国的に食べられるお菓子を2つ、そして、カーニバルといえばヴェネツィア!ということで、ヴェネツィアのカーニバルのお菓子を1つご紹介したいと思います。
Chiacchiere キァッケレ
イタリア全土で食べられるカーニバルのお菓子の代表が、キァッケレとよばれる揚げ菓子。
小麦粉、バター、卵、ワインで作った生地を薄くのばしてリボン状に切って揚げたものに粉砂糖をまぶした軽いパイのようなお菓子です。
上の写真のキアッケレには粉砂糖がかかっていませんが、右端の白い袋に粉砂糖が入っていますね。
食べる前に袋を開けてふりかけるタイプです。
スーパーで売っているものには、あらかじめ粉砂糖がかかっているものと、粉砂糖が別の小袋に入っていて食べる直前にまぶすタイプのものがあるんです。
実はこのキアッケレ、地方によって名前が違うんです。
全国的に、そして南部の各州ではキアッケレ と呼ばれていますが、他の地域では違う名前で呼ばれていますのでいくつかご紹介します!
- 北部では bugie(ブジエ)や crostoli(クロストリ)
- ヴェネツィアでは galani(ガラー二)
- トスカーナ州では cenci(チェンチ)
- イタリア中部では frappe(フラッペ)
おもしろいですね。
ヴェネツィアのカーニバルに行ったときに、スーパーで クロストリ と ブジエ を見つけました!
ヴェネツィアのお菓子屋さんの店頭には ガラーニ がありましたよ。
ご覧の通り、名前は違っても、ほぼ同じお菓子。
お味は?というと、サクッとした軽い口当たりで美味しいです。
食べ始めると止まらなくなって危険です!!!
揚げ菓子だけあってカロリーは高いですしね。
Castagnole カスタニョーレ
小麦粉、砂糖、卵をこねた生地を小さく丸めて揚げたお菓子。
栗(castagna)に似た形のドーナツです。
こちらも、一口サイズ、そして素朴な味なので、食べ始めると止まらなくなります。
Frittelle フリッテッレ
そして、カーニバルで有名なヴェネツィアで食べられるのがフリッテッレ。
ドーナツに似たヴェネツィアのお菓子です。
定番は次の3種類。
- veneziana(ヴェネツィアーナ):干しぶどうと松の実を生地に練りこんだもの
- crema(クレーマ):クリーム入り
- zabaione(ザバイヨーネ)リキュール入りのザバイヨーネクリーム入り
その他にも、チョコレート、カフェ、ティラミス味など数種類販売しているお店もあって、どれを選ぼうか迷ってしまいます。
私もヴェネツィアに行ったときに、どれにしようか悩んだ結果、venezianaを食べてみました。
どっしりした感じのげんこつドーナツかな、と思っていたら、柔らかくてふわふわのドーナツでした!
カーニバルの時期、ヴェネツィアのバールやカフェではフリッテレとカプチーノで朝食をとっている人をよく見かけます。
フリッテレは、甘いもの好きのイタリア人の朝ごはんにも人気なんですね!
ヴェネツィアのカーニバルを見に行ったら、ぜひフリッテッレを食べてみてくださいね。
まとめ
カーニバルのお菓子もカーニバル最終日の火曜日、Martedì grasso (マルテディ グラッソ)で食べ納め。
これらのお菓子はカーニバルが終わるとお菓子屋さんからは姿を消してしまいます。(スーパーでは在庫がなくなるまで割引して販売しています。)
カーニバル期間中にしか食べられないお菓子、カーニバルの時期にイタリアに来たら食べてみてくださいね。