イタリアの春のイベント、復活祭(イースター)!
復活祭はイタリア語ではパスクア(Pasqua)といいます。
ところで、復活祭ってどんな日か知っていますか?
ここ数年、日本でもイースターという言葉は少しずつ定着しつつありますね。
でも、日本でイースターというと、テーマパークの春のイベントを思い浮かべる人が多く、実際に復活祭がどんな日なのか知っている人は少ないと思います。
今回は、復活祭について簡単に説明するとともにイタリアの復活祭、パスクアの過ごし方についてご紹介したいと思います。
パスクア(復活祭)とは?
パスクアとは日本語で「復活祭」。
十字架にかけられて処刑されたキリストが3日後に復活したことを祝う日です。
パスクアはカトリックの国イタリアでは最も重要な祭日なのです。
日本ではあまり知られていないのですが、実はパスクアはクリスマス(ナターレ)以上に重要な日なんですよ。
パスクアはいつ?
パスクアは毎年日付が変わります。
古くから「春分のあとの最初の満月の後の日曜日」と定められていて、毎年3月下旬から4月中の日曜日がパスクアにあたります。
2018年のパスクアは4月1日、2019年は4月21日です。
今年と来年では、半月ほどずれがありますね。
毎年日付が変わるとは、大変だね。
パスクアの日付は毎年変わるため、イタリアの人もカレンダーで確認します。
また、イタリアではパスクアの翌日の月曜日はパスクエッタ(Pasquetta)という祝日になっています。
パスクエッタの過ごし方も、後ほどでご紹介しますね。
パスクアの過ごし方
イタリアではパスクアの日には、家族や親せきが集まっての昼食を一緒に楽しむのが一般的です。
この昼食会が長いこと!
正午過ぎに始まり夕方まで続くのです。
みんなが集まったらまずは乾杯。
その後休憩をはさみながらゆっくりと時間をかけながら食事をします。
一通り食べ終わると、パスクアのお菓子、コロンバや卵型のチョコレートを食べながらおしゃべりをしたりトランプで遊んだりして、ゆっくり過ごします。
昼から夕方までたくさん食べるので、この日の夜は何も食べないという人がほとんどなんですよ。
パスクアのお菓子
パスクアのお菓子といえば、復活祭のシンボルである鳩、ウサギ、卵の形をしたお菓子です。
どれも形がかわいらしくて食べるのがもったいない気がします。
パスクアが近づくとスーパーには色とりどりのパスクアのお菓子が並びます。
どこのスーパーのも「こんなに売れるの?」と心配になるくらいたくさんのお菓子が並ぶのですが、心配無用!
売れ残ったものはパスクアが終わると一斉に値引きされるので、しばらくするとなくなります。
コロンバ(Colomba)
パスクアの伝統的なお菓子はコロンバ(Colomba)という鳩の形のケーキです。
これが、鳩の形なの?四つ葉のクローバーかと思った。
何度言われても鳩に見えないよね。。。
コロンバは、クリスマスのお菓子パネトーネと似たスポンジケーキです。
パネトーネとコロンバ、どう違うの?
形が違うだけよ。パネトーネを鳩の形にしたのがコロンバかな。
実際、作り方も材料もほとんど同じだそうです。
生地はほぼ同じだけど、アーモンドがトッピングされてるのがコロンバかな。
パネトーネもそうですが、イタリア人はコロンバが大好き。
コロンバを食べるのは、パスクアの日だけじゃないんです。
コロンバが売り出されるとパスクアの日を待たずに食べ始め、パスクアが終わってもしばらくは毎日のように食べる人も多いです。
何か月も同じお菓子を食べてよく飽きないね。
クリスマス前から1か月くらいパネトーネを食べ続け、カーニバルの時期にはカーニバルのお菓子を食べ、パスクアが近づくと今度はコロンバ。
パスクアが終わってもしばらくスーパーには割引されたコロンバが並んでいます。
卵型のチョコレート(Uova di Pasqua)
パスクアのお菓子と言えばもう一つ、卵型のチョコレートUova di Pasqua(ウオーヴァ・ディ・パスクア)があります。
大きな卵型のチョコレートはパスクアの日まで飾っておいて、昼食の後、割ってみんなで食べます。
子どもへのパスクアのプレゼントの定番もこの卵型のチョコレート。
子ども達は卵型のチョコレートをもらうと目が輝きます。
なぜかというと、子ども用のチョコレートにはおもちゃのサプライズが入っているからです!
おとなでも中に何が入っているかワクワクしますけどね。
また、小さな卵のチョコレートや、ウサギの形のチョコレートもパスクアの定番です。
パスティエラ(Pastiera)
コロンバと卵型のチョコレート以外にも、地域によってパスクアのお菓子があります。
有名なのはナポリの伝統的なパスクアのお菓子、パスティエラ(Pastiera)。
リコッタチーズ、砂糖、卵、ミルクで煮た麦の粒を混ぜたものが入ったタルトです。
ナポリに行ったときに食べたんですが、とってもおいしかったです。
パスクアの料理
パスクアといえば、卵!
パスクアの昼食はゆで卵など、卵料理から始まります。
そして、パスクアの日の伝統のメイン料理は子羊。
古くから神にささげられてきた動物だからだそうです。
最近では、「子羊は苦手!」という人も少なくないので、誰でも食べられる牛肉、豚肉、鶏肉をメインにする家庭が多いです。
庭のバーベキューコンロでお肉を焼く家庭も多いので、パスクアの日のお昼ごろは街じゅうにお肉を焼いた香ばしい匂いが漂うんですよ。
パスクアの翌日パスクエッタの過ごし方
パスクエッタ(Pasquetta)には ピクニック をするのが定番です。
パニーニを作ったり、前日食べきれなかった料理やお菓子を持って外に出かけて、家族や友人とランチを楽しみます。
春を感じながら外でゆっくりランチをするのは気持ちがいいですよ。パスクエッタにピクニックに行くと、日本のお花見が恋しくなります。
桜があれば最高なんですけどね~。
おわりに
キリスト教の重要な祭日であるパスクアは、春の訪れを感じさせる一日でもあります。
パスクアが近づくとカラフルな卵型のチョコレートやウサギや卵のディスプレイが街にあふれるので、とても楽しい気分になりますよ。
パスクアの日のあいさつは「Auguri!(アウグーリ)」。
パスクアの日にイタリア人に会ったら「Auguri!」とあいさつを交わしましょう。