前回、イタリアの結婚式にお呼ばれした時に気になる「ご祝儀」や「服装」についてご紹介しました。
イタリアの結婚式は日本の結婚式とは違うことが多く、戸惑うこともありますが興味深いです。
結婚式と同様、挙式後に行われる披露宴も日本とはかなり違います。
今回は何度かイタリアの結婚披露宴に出席した経験をもとに、イタリアの披露宴の様子をお伝えしたいと思います。
*文中、イタリアの結婚披露宴と表現していますが、あくまで私がイタリアで出席した結婚式や披露宴の様子です。イタリア国内でも、地方や年代などによって風習などが違ったりするので、ご了承ください。
イタリアの結婚式!まずは披露宴会場でアペリティーボ
イタリアでは結婚式を挙げる場所(教会または市役所)と披露宴会場(レストランやホテルなど)は異なります。
挙式後、新郎新婦とゲストで集合写真を撮ったり歓談したらいったん解散。
それぞれ披露宴会場に向かいます。
(新郎新婦は近くの撮影スポットを回りながら写真撮影をしてから披露宴会場に向かうケースが多く、ゲストよりも遅れて到着することがほとんどです。)
イタリアの披露宴は、庭付きのレストランや古城ホテルなどで行われることが多く、まずは屋外でのアペリティーボから始まります。
ゲストは新郎新婦を待ちながら、披露宴会場に用意されているドリンクを飲み、バイキング形式の料理を食べて新郎新婦を待つのです。
このアペリティーボタイムは素敵なガーデンで行われることが多く、天気のいい日はとても気持ちがいい!
新郎新婦が到着しても、すぐに披露宴が開始されるわけではなく、写真を撮ったり歓談してゆっくりと過ごします。
ここで出される料理が披露宴の前菜(アンティパスト)を兼ねていることもあります。
美味しいものがたくさん並びますが、ここで食べ過ぎるとその後の料理が食べられない!なんてことになりかねないので注意が必要です。
イタリアの結婚式!披露宴の流れは?
さて、アペリティーボが終わると披露宴会場(屋内が多い)へ移動します。
披露宴会場の入り口の席次表を見て、自分のテーブルに向かいます。
テーブルの中でも席が決まっている場合もありますが、そうでないことも。
全員が席に着くころ、ワインや料理が運ばれてきます。
そして、「Auguri(アウグーリ!/乾杯!)」という掛け声で披露宴がスタート。
イタリアの披露宴の特徴は、とにかく長いこと!
美味しい食事を楽しみながらゆったりと過ごします。
司会者がいなかったり、式次第が細かく決まっていなかったりすることもあります。
とにかく、のんびりと進んでいきます。
また、料理と料理の間にちょっとした休憩があるのも特徴。
それぞれ外に出て散歩したり、他のテーブルの人とおしゃべりしたり、とそれぞれ自由に過ごします。
長時間の披露宴、料理の量も多いですし、ずっとテーブルについていると疲れてしまうので、休憩も大事なのかも。
そして、次の料理が運ばれ始めるのを見ると、テーブルに戻ります。
途中、新郎新婦のゲームがあったりして、デザートが終わるまで長いこと長いこと!
最後に新郎新婦がウエディングケーキをカットし、みんなでケーキをいただいて披露宴は終了となります。
会場出口で新郎新婦にお祝いの言葉をかけて、新郎新婦から引き出物をプレゼントされて会場を後にします。
初めてイタリアで披露宴に出席した時には、料理の間にみんなが外に出て(新郎新婦も!)テーブルに誰もいなくなったり、時間が長かったりで、いろいろビックリしました。
イタリアの披露宴!出し物は?
先ほど「式次第がないこともある」と書きましたが、一応、新郎新婦が行うお決まりのゲームがあります。
披露宴も中盤にさしかかると、友人が新郎新婦を呼びゲームを行います。
だいたいどの披露宴でも行われるメジャーなものは2つ。
ひとつめは、新郎新婦それぞれが背中合わせになって、友人の出す質問に答えるもの。
答えが一致しないとワインを飲まされたりします。
ふたつめは、二人羽織になって(新郎が前、新婦が後ろ)、朝起きてからの洗顔、歯磨き、髭剃り、朝食などの行動を再現するもの。
新郎の顔が歯磨き粉やシェービングクリームなどでぐちゃぐちゃになって笑いが起きます!
他にも新郎新婦が行うゲームや、ゲストも参加してのゲームなどもありますが、どこの結婚式でもたいていこの二つのゲームはありました。
(地域や年代によっても違うかもしれません。)
一方で、日本の結婚披露宴のような、上司や友人などの祝辞や友人の出し物などは見たことがありません。
披露宴終了!その後のパーティーが長い
さて、長~い披露宴がようやく終わったと思っても、まだその先があります。
披露宴が終わるころには日付も変わっていることも多いですが、そのままおとなしく家路に着く人は一部。
ほとんどの人は、アペリティーボをしたガーデンや、別の会場に移動して、いわゆる2次会が始まります。
2次会には、DJやバンドがいることが多く、ワインやドリンク、そして軽食やデザートが用意されていて、「食べて飲んで踊って」のパーティーが始まります。
披露宴に限らず、イタリアのパーティーでは食事の後、DJが来て、音楽とともにダンスを楽しむのが一般的です。
これがまた長いこと!
もちろん、途中で帰ってもいいので、疲れたら新郎新婦に挨拶をして帰っていきます。
わたしは最後までいたことはないのですが、朝の4時、5時にお開きになることも多いそうですよ。
ところで、新郎新婦には2次会のあと、大きな仕事が残っています。
というのも、友人たちが新郎新婦の車を白いテープやトイレットペーパーなどでグルグル巻きにするからです。
(このグルグル巻き、挙式場から披露宴会場に向かう前の車に行う場合もあります。)
このラッピングをとって、やっと会場を後にすることができるのです。初めての共同作業といったところでしょうか。
大変ですね!
イタリアの披露宴、日本の披露宴との違いは?
イタリアの披露宴に何度か参加してみて、日本の披露宴と違うと思った点を挙げてみたいと思います。
- とにかく時間が長い
- ゲストの服装はかなり自由
- 途中で休憩があって散歩に行ったりする人もいる
- 司会がいないことが多い
- 新郎新婦は衣装替えをしない
- 新郎新婦のお決まりのゲームがある
- 乾杯のあいさつがない
- ゲストのスピーチがない
- 友人や同僚の出し物(歌や余興)がない
- 新郎新婦の挨拶がないことが多い
- 両親への手紙や花束贈答がない
- 引き出物が超シンプル
- 2次会にDJやバンドがいる
- 2次会も長い
おわりに
イタリアの披露宴について、今までの経験をもとにまとめてみました。
日本の披露宴とはかなり違いますよね。
初めはビックリすることばかりでしたが、さすがに何度か出席すると慣れるものです。
イタリアの披露宴は長時間ですが、新郎新婦もゲストも楽しめる素敵なパーティー!
お二人の門出を祝いながら、出席者も楽しんじゃいましょう!