中部イタリアのマルケ州、エミリア・ロマーニャ州、トスカーナ州、サンマリノ共和国にまたがるモンテフェルトロ地方(Montefeltro)という美しい丘陵地帯には、小さくてかわいらしい町がたくさんあります。
その中のひとつが、マルケ州ペーザロ・エ・ウルビーノ県の山岳地帯に位置する小さな町、カルペーニャ(Carpegna)。
この歴史のある小さな町は、イタリアの英雄、自転車ロードレース選手の故マルコ・パンターニ(Marco Pantani)がトレーニングを行っていたことで知られています。
それでは、自然豊かなマルケ州の小さな町、カルペーニャをご紹介します。
カルペーニャのみどころ
カルペーニャの見どころは自然。
標高1400メートルのカルペーニャ山(Monte Carpegna)でハイキングやサイクリングを楽しむのが定番。山の中にキャンプ場もあって、アウトドア派の人に人気です。
後述するチッポが一番の見どころですが、カルペーニャ山の麓に広がる町の見どころを一つご紹介したいと思います。
カルペーニャ邸(Palazzo Carpegna)
町の中心地の広場の前にある17世紀に建てられた邸宅です。
今回カルペーニャ邸を訪れたときは、この中で地元の名産品を集めた物産展が開催されていましたよ。
パンターニがトレーニングしたチッポ
さて、カルペーニャの目玉といえば、チッポ・ディ・カルペーニャ(Cippo di Carpegna)。
自転車ロードレーサーだった故マルコ・パンターニ(Marco Pantani)がトレーニングをしていたことから、パンターニのチッポ(Cippo Pantani)と呼ばれています。
チッポ(Cippo)への入り口がこちら。パンターニの歴史が刻まれていて、イタリア人や海外から来た自転車好きの方には絶好の観光スポットとなっているようです。
きつい傾斜の坂道のところどころに、パンターニの言葉とサインを目にすることができます。
日本語にするとこんな感じです。
「カルペーニャでトレーニングして多くの勝利をもぎ取ってきた。カルペーニャだけで十分だ!」
山道のを上っていくと、パンターニのモニュメントがあります。
また、この近くにバールやキャンプ場、絶景が楽しめる展望広場があります。
こちらがパンターニさん。大スターだったのが分かります。
パンターニは、ジロ・ディ・イタリアをはじめとした数々のレースで活躍したイタリアの英雄で、スキンヘッドにバンダナをまいていたことから、海賊(Pirata)と呼ばれていたそうです。
2004年にリミニのホテルの一室で亡くなりましたが(ドラッグが原因だったそうです)今でもとても人気があります。
ちなみに、ジロ・ディ・イタリア(Giro d’Italia)とは、毎年5月にイタリア全土を舞台にして行われる自転車プロロードレースです。
カルペーニャのグルメ
カルペーニャの名産品、プロシュット・ディ・カルペーニャ(Prosciutto di Carpegna)はDOPに認定されている高級品。ドングリを食べて育った豚から作られたカルペーニャのプロシュットは、芳ばしくてとてもまろやかです。
また、この地方はトリュフの産地でもあるので、トリュフを使ったパスタやお肉料理をお手頃価格で食べることができます。
ちなみに、トリュフはイタリア語で tartufo(タルトーフォ)といいます。
カルペーニャのおすすめレストラン
宿泊先のご主人に教えてもらった、郷土料理がおいしいと評判のレストランに行ってみました。
Silvana(シルヴァーナ)
カルペーニャの中心地からすぐのところにあるレストラン、Silvana(シルヴァーナ)。
郷土料理からピザまであるレストランで、特にキノコとトリュフを使った料理が自慢のお店です。
【Ristorante Silvana】
住所:Via G. O. Falconieri, 7, 61021 Carpegna PU
店内入ってすぐは賑やかな感じですが、奥のテーブル席は落ち着いた雰囲気です。屋外にもテーブル席がありました。
それでは、今回いただいたお料理をいくつかご紹介します。
どのお料理もとても美味しかったので、カルペーニャに行ったらぜひ味わってみてください。
Cappelli del prete con asparagi e tartufo nero (アスパラの詰め物パスタ、黒トリュフのせ)
宿のご主人おすすめの一品。お値段は10ユーロでした。
Cappelli del prete (カペッリ・デル・プレーテ)とは帽子のような形をしたラヴィオリのような詰め物パスタ。この地方でよく食べられるパスタだそうです。
黒トリュフがたっぷり乗っていて香りがとても豊かで美味しかったです!
Stringozzi con prosciutto crudo di Carpegna e rucola (カルペーニャ産生ハムとルッコラの生パスタ)
Strongozzi(ストロンゴッツィ)というのはこの地方名産の手打ちの生パスタ。モチモチしていてコシがあるのが特徴です。
カルペーニャ産の生ハムも美味しいです!こちらは7ユーロでした。
Tagliata con rucola, grana, tartufo nero (タリアータ、ルッコラ、グラーナ、黒トリュフのせ)
お肉が見えないほどトリュフがのっていて、15ユーロでした。
通常ならタリアータだけで15ユーロはするところ、トリュフがたっぷりでこのお値段はビックリでした!
カルペーニャへの行き方
公共交通機関を使う場合、リミニ(Rimini)からバスを乗り継いで行くこともできますが、アクセスが悪く時間がかかります。
おわりに
マルケ州の山あいにある小さな町、カルペーニャをご紹介しました。
日本から訪れる観光客はほとんどいない小さな町ですが、自転車レースが好きな方はぜひ訪れたいスポットです。
パンターニがトレーニングしたチッポをのぼってみてはいかがでしょう?
傾斜がきついですが、絶景が楽しめるのでハイキングにもおすすめです。