イタリアの公共放送局といえば、RAI。
RAIは日本のNHKのイタリア版、つまり公共放送局であるので、日本のNHKと同じように受信料収入で成り立っています。
イタリアでRAIの番組を見たことがある方はご存知だと思いますが、NHKとは違ってコマーシャルが流れています。
RAIの収入源には、NHKと同じ「受信料」に加えて「広告料収入」があるのです。
また、受信料の支払方法も日本とは違います。
今回は、ちょっとビックリなイタリアの公共放送の受信料について、まとめてみました。
RAIの受信料の徴収方法
現在、RAIの受信料は電気代と一緒に徴収されています。
つまり、電力会社から届く電気代の請求書に、電気料金にTV受信料(CANONE TV)が追加されていて、電気代とあわせて支払うようになっています。
イタリアの受信料制度ではテレビの保有に対して受信料の支払い義務が生じるので、テレビをもっていれば受信料を支払わなければいけません。
しかし、これまで請求書が来ても受信料を支払わない人が多く、不払い率は30%近くもあったそうです。
そこで、2016年から電気代と一緒に受信料を徴収する方式に制度が変更されたのです。
ちなみに、2018年の受信料は年間90ユーロ。
広告収入もあることを考えると、高い気がしますね。
テレビを持っているかどうかの確認は?
日本では、まずNHKと受信契約を結びますよね。
引っ越しをするとNHKの徴収員がやって来て、「テレビありますか?」と聞かれて契約することになります。
ところが、イタリアでは、テレビを持っているかどうか、確認に来る人はいません!
制度が変わる前は確認があったのかもしれませんが、現在では引っ越しても受信契約どころか、テレビがあるかどうかの確認もないまま、自動的に電気料金と一緒に受信料が請求されるのです。
テレビがない人は支払が免除される
では「テレビを持っていなくて、支払義務のない人はどうすればいいの?」という問題が出てきますよね。
もちろん、受信料の支払いは免除されます。
ただし、自らテレビがないことを申告しなければいけないのです。
申告方法と申告期限
テレビ受信料免除の申告は、税務当局(agenzia delle entrate)のサイトにある申告書に必要事項を記入して郵送します。
なお、申告期限は以下の通りです。
前年7月1日からその年の1月31日までに申告すれば、年間通して支払が免除され、
その年の2月1日から6月30日までに申告すれば、半年分の支払が免除されます。
2018年の場合を例にすると、こうなります。
2017年7月1日から2018年1月31日の間に申告すれば、2018年は1年間の支払が免除。
2018年2月1日から2018年6月30日の間に申告すれば、2018年の7月から12月の半年間の支払が免除。
家庭にテレビがない人は申告をすれば支払いが免除されますが、申告しなかった場合はテレビがあろうがなかろうが、受信料を支払うことになります。。。
毎年申告が必要!
今年の申告書を出したと言って安心はできません。
「うちにはテレビがありません!」という申告は毎年する必要があります。
申告する人(=テレビがない人)はあまりいないと思うので、年末に該当者にハガキでも送って確認してもよさそうなものですが、ここはイタリア。そんな親切な制度はありません。
知り合いにも、去年は最初の期限までに申告して受信料を1年分支払わずに済んだのですが、毎年申告が必要だということを知らず、今年の申告を忘れていて、「電気料金の請求書を見てビックリした!」という人がいます。
イタリアでは電気料金の請求書は毎月来ません。
3月に来た請求書を見て、テレビ受信料が請求されていることに気付いたものの、時すでに遅し!
5月中に申告したので後半分は支払わずにすみますが、前半分は支払うことになったそうです。
テレビを持っていないのに6か月分の受信料を支払うことになるとは、お気の毒ですね。
おわりに
イタリアの国営放送RAIの受信料の徴収方法と支払免除のための申告についてまとめました。
イタリアに移住予定で、テレビを持たない予定の方はご注意ください!